2008年3月5日水曜日

限界とドクターストップ

右腕完全麻痺は、日常生活にも影響してきた。
食事も、洗面も、シャンプーも左手だけだ。こんなに不便なことはない。

いままで、障害のある人と多く接してきたのに、こんなに不便だなんて、気づいてなかったんだ。
耳かきだって満足にできないし、爪なんてどうやって切るのだろう??
お菓子の包み紙も開けられないし、紐なんてまったく結べない。
なってみて初めてわかることだらけだ。

使わないということは、恐ろしい。
みるみるうちに、筋肉が落ち、細くなってゆく。
腕だけでなく、肩もすっかり細くなった。
首まで細くなったと同僚から言われるようになってきた。

ほかの部分についても、悪化の一方だ。
左足のつまさきは相変わらずブラーンとなって、靴下や靴がうまく履けないし、指先の痺れは強く、痛い。

さらにだ、
唯一何も問題なかっら右足先に、痺れが出始めた。
治まってほしいと思って、ストレッチも繰り返すが、じょじょに強くなってゆく。


なんでもやってみた。

風呂でゆっくりと温めることも続けていた。
めんどくさがりやの私が、朝に風呂にいき、体を温めた。

肩には温熱シップを貼り、脚には保温サポーターをつけた。
(実はこれはあまりよくなかった可能性大)

また、鍼灸にもなんども行ってみた。かなりハードに施術してもらった。
鍼の治療は、あとが辛い。
体へのダメージが大きく、だるさで何もできなくなるくらいだ。
でも、治るならなんでもやりたかった。



でも、でも。。。。。。
何をやっても効果がみられなかった。

周りからも東京の大きな病院での受診を強く勧められ、自分でも一度診て貰って、治療がわかれば、こちらでも通いで治せるなと思ったのが1月。

県立病院の整形外科に行って、紹介状を書いてもらった。
すでにこのとき、握力は両方とも10kg程度まで落ち込んでいた。

「神経系をみれるところにいきなさいね。都立か日赤かなあ。」
医師は、そう言いながら、こころよく紹介状を書いてくれた。


数日後、軽い気持ちで、ここ日赤の整形外科外来にやってきた。


症状を説明し、レントゲンを撮る。

担当した医師は
「・・・・、ひとつひとつを見ると、整形かもですが、多発しているのがおかしいです。これは違うところに原因があると思いますので、神経内科を受診してください」


え。。。また神経内科???
なんなんだあ??

待つこと、数時間。
今度は、神経内科で診察だ。
たまたま、診療部長の先生が担当だった。
ドアをあけて入る。

よろしくお願いします。

「あ、○○です、よろしくお願いします」
なんと、金色バッチをつけた、診療部長の先生が、椅子をたって挨拶してくれた。
驚いた。
ほんとにびっくりした。こんな医師初めてだ。


資料を眺める先生。静かな時間が過ぎる・・・・

「うーん、ここまで放っておかないほうがよかったね」

え?そんなにひどいですか?

「簡単ではないですね、たぶん腕があがるまで2ヶ月かかる。すぐに入院して調べて治療をしないといけない状態です。」

そういいながら、先生はすでに右手に入院手続きの用紙をとり、記入しはじめている。

え?入院??
ど、ど、どれくらいですか?

「1ヶ月だね」

えええええええ!!
そんなに?1ヶ月もですか????
ええええええええ、どうしよう。

超予想外だった。

ほんとに予想外、というか、わけわからなくなった、一瞬にして。




そんなドクターストップの日だった。



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